生命

Nature表紙を飾ったエボラウイルス由来の糖タンパク質

昨日公表されたRCSB PDBの今週の新規登録データの中にエボラ出血熱関連の興味深いデータがあり,自作コンテンツに追加したバカにだったのだが,その時点で未発刊だった文献が今日になって公開された。 Cover Story: エボラウイルスの構造:ヒト生存者由来の…

「生命誕生」ほか今日届いた本から

今朝の岩手・宮城内陸地震でまた多くの尊い命が失われ,テレビに映される地形の変化に自然の力の大きさを思い知らされる*1。 ニュースを見ながら,今日宅急便で届いた本と書店で手に入れた本を拾い読みしつつ一日が過ぎてしまった。 ピーター・タラック 著,…

宇宙図に想う

一昨日から科学技術週間(2007/04/16-22)。昨年は2006/04/15に書いたように一家に1枚ヒトゲノムマップが配布されたが,今年は, 宇宙図 が作成されたとのことで,前回同様新潟県立自然科学館までもらいに行ってきた。ヒトゲノムマップの半分の大きさで迫力…

サイエンスコミュニケーション&バイオいろいろ

先月放映された下記番組後半のコーナーでサイエンスコミュニケーションのことが取り上げられた。 サイエンスZERO/Plus ZERO「サイエンスコミュニケーション」(NHK教育TV,2007/01/20放映,特集:驚きの冬眠パワーに迫る) この中で,サイエンスアゴラ2006…

リプロダクティブヘルスと今夜の番組「男と女の不思議に迫る」

厚生労働相の発言が問題になり,ブログ検索などでもトップの話題になっったりしている。このような発言を読むたびに,いつも思い出すことがいくつかある。 まず第一は, 遠山 啓,「古典との再会 文学・学問・科学」,太郎次郎社(1980) に書かれている,ルソ…

「生きろ」というメッセージが弱まっていないか

小さな命が失われていくニュースが続き,このブログを立ち上げた意味も消え入りそうな思いでいる。 ジブリ「もののけ姫」のメインコピー『生きろ』を産み出したのは糸井重里さんであるが,昔見た海外の科学番組で,多細胞生物もお互いの細胞間でそのメッセー…

生命科学と化学の蜜月

あちこちに書いていることだが, 高等学校学習指導要領/理科 を見てもわかるように,高校化学分野でも生命科学分野の内容を扱う割合が高まっている。 黒田玲子,『科学技術政策と化学』,化学と工業,2005年4号 の文末でもその重要性が語られていた。 そん…

[GADV]-タンパク質ワールド仮説

GWもあっという間に終わり,明日からまたいつもの生活に戻ります。 昨日予告した,池原健二さんの『[GADV]-タンパク質ワールド仮説』の解説本, 池原健二,「GADV仮説−生命起源を問い直す」,京都大学学術出版会(2006) …bk1情報 を明け方に読み始め,DNAや…

「われわれは何者か-宇宙・地球・人類- 」が公開

2005/06/18にちらと書いた, 理科と教育のメーリングリスト を運営してくださっている山賀さんは,知る人ぞ知る, かけがえのない地球 というサイトを運営してくださっている。 その山賀さんが,とてつもない一大スペクタクルを公開したというアナウンスがML…

新生物Hatena!!

さすがに生物の世界に「はてな」の商標登録はしていなかったか。 植物でもあり、捕食者でもある生物(Science日本語版,2005/10/14) Google Newsでの“hatena”検索結果 写真が以下に掲載されている。 Mysterious 'half-animal, half-plant' marine microbe d…

60歳の8月15日

2005/04/07に記したMeSciの「恋愛物語展」は今日まで。2005/08/02に書いたように見学して買ってきたお土産の中に同企画展のトランプがあって,先日家のこども達が帰省した時に何年かぶりに遊んで,その絵を楽しんだ(右画像;上左からX染色体・Y染色体,受精…

BSEが教えてくれること

先日,以前別の感染関連コンテンツのことで情報交換したことのあるブログ作者から, BSEの感染源としての代用乳(BSE&食と感染症 つぶやきブログ,2005/06/14) に書かれているシンポジウム資料を送っていただいた。以下に目次を転載させてもらう。 I シン…

流れの中の煌めく生命

2005/02/27で取り上げた, 福岡伸一,「もう牛を食べても安心か」,文春新書(2004) の福岡さんによるコラムが今日の朝刊に。 福岡伸一,『生命工学の現状 「機械的な操作」の限界示す』(朝日新聞・かがく批評室,2005/05/19) 物質の流れの中に浮かび上がる…

国立科学博物館でスーと分子に対面

明日から化学会で横浜着。ホテルはネットが使えるので少しだけ書き込み。 上野に寄って, 恐竜博2005 で話題のスーと対面。他の恐竜や同館常設展示の生物群を見て,あらゆる形,あらゆる機能を試しているような過剰さに圧倒される。その中の多くの腫を絶滅さ…

地球が宇宙になる

地球は宇宙の一部なのだけれど,“宇宙旅行”という語に象徴されるように人間は時々線(その境界をどう引くかはまた諸説あって大変!)を引いてしまう癖があるようだ。 しかし,2005/03/17の地下鉄サリン事件のところで書いたこども向けの防毒マスクなどは,地…

平成15年度PRTRデータの概要公表

2004/10/26の日記(こどもたちに伝える環境問題)で挙げた, PRTR/新潟県のデータから ※画像は昨年公表のPRTRデータをもとに学生が演習で作成したポスターの例 にも記載したが, 平成15年度PRTRデータの概要等について−化学物質の排出量・移動量の集計結果…

団まりなさんの「性のお話をしましょう」

今朝の朝日新聞読書欄『著者に会いたい』にちょうど読みかけの, 団まりな,「性のお話をしましょう」,哲学書房(2005) を書かれた団さんへのインタビュー記事。毎日新聞にも書評が出ている(2005/20/22)。 今週の本棚:中村桂子・評 『性のお話をしましょ…

“似ている駅伝の「たすき」とDNA”

正月は箱根駅伝の番組を見るのが楽しみ。 数年前,朝日新聞新潟版にDNAが駅伝のたすきに似ているという雑文を載せてもらったことがあるが,毎年の放映を見ながらもその思いは変わらない。“生物は遺伝子の乗り物”とするドーキンスの社会生物学に染まっている…

弱者としてのこどもと環境問題の被害者

2004/10/25の日記で紹介した,雑誌掲載論考『生命を考える家庭科』に,今読んでいる, 丸山徳次 編,「応用倫理学講義 2 環境」,岩波書店(2004) …(bk1情報) の文章を追記。 “高等哺乳類としての人間の新生児が、他の哺乳類にはない非常な無力さをもった特…

余震が続く中の生命の灯火

異常な余震が続く新潟県中越地震,今日は新潟市でも震度4があり職場は急遽休講に。被災地はもっと大きなゆれで夜のニュースでその恐怖の場面が多数写された。 そんな中で,最初の地震で土砂に埋まっていた母子3人が乗っていたワゴン車の中から,長男の皆川優…

『生命を考える家庭科』

地震などがあって書き込みが遅れたが,「家庭科教育」2004年11月号(家政教育社)に掲載された原稿を,先日Webに転載。 『生命を考える家庭科』 何か新しい発想が必要なのではないかと,いろいろな本を読みつつ最近考え続けていることをまとめたものなので,…

35億年の駅伝

医学生が書いたということで話題になった, 駒沢伸泰「遺伝子の宿題 医学生が学んだ生命の不思議」(PHP研究所) …bk1情報 の帯には『35億年の旅人が、ぼくに教えてくれた大切なこと』と記され,p.141には以下のような記述がある。遺伝子の意味、生命の意味…

循環する生体分子

昨夜から, 「岩波応用倫理学講義1 生命」(岩波書店) …bk1情報 を,まずは池田清彦さんの『生きとし生けるものの倫理』から読み始める。と言っても,読み終わるのはいつになるか。 池田さんの文章は,何れこの日記で触れることになる生体分子の話の入門的…