環境ホルモン胸騒ぎ

ecochem2005-03-05

今夜のNHK教育テレビ

は,『絶滅危惧(きぐ)種はなぜ増える 忍び寄る化学物質汚染』。“環境ホルモン”の名付け親の一人でもある井口泰泉さんが出演されていた。
環境ホルモンと野生動物の異変―総合的な学習 (写真を見ながら学べるビジュアル版新健康教育シリーズ)

井口さんが出演者のお一人だった,1997/05/17と1997/06/21の2回にわたって放映された当時のNHK「サイエンスアイ」がきっかけになって日本でも大きな問題になり,それまでに読んでいた本などから気になって作成を始めて現在に至っているのが,

ほか一連のこだわりのコンテンツ群。それ以後俎上にあがった化学物質を分子表示ソフトChimeで見れるようにしてきたこだわりの歴史でもある。思うに8年前の“環境ホルモン胸騒ぎ”がきっかけで,身近で使われたり環境中に放出されている化学物質(天然・人工含めて)に対して多くの方に関心を持ってもらいたいという考えもあった。
最近になって,環境省が掲載していた環境ホルモン作用が疑われる化学物質のリストを,これまでの研究成果をもとに撤回する動きを見せて波紋を投げかけている。
なお番組の生物絶滅に関しては,これも以前のNHKのテレビ番組で,“extinct”という単語を知ったのだが,これで画像検索すると人間のやってきた(もちろんそれ例外の要因もあろうが)ことがよくわかる。

さて,最近になって環境省が掲載していた環境ホルモン作用が疑われる化学物質のリストを,これまでの研究成果をもとに撤回する動きを見せて波紋を投げかけている。

化学物質の問題に対して“リスク評価”の手法で長年取り組んできた中西準子さんは,予算面など環境ホルモン問題の取り上げ方を批判して“環境ホルモン空騒ぎ”と評しており,これも各所でいろいろな議論を巻き起こしている。中西さんの考え方は以下に集約されている。
環境リスク学―不安の海の羅針盤

“リスク分析”に対する異なった観点は例えば,2005/02/27福岡伸一さんの「もう牛を食べても安心か」にも出ており,上の本ではBSE問題も取り上げているので読み比べるといいだろう。
環境ホルモン問題のWebサイトをずっと運営して雑誌などでも紹介してもらったきた立場として,これまでの経緯と今後については是非近いうちにまとめてみたいと考えている。
なお冒頭画像の,

には今回から「環境部」が新しく設けられ,環境省がこれまで掲載していた『内分泌撹乱作用を有すると疑われる化学物質』の表が載っている。
また,理科年表にはすでに2003年に発行された環境編がある。
理科年表 環境編

最後に蛇足であるが,冒頭の番組には有名なブロガーである眞鍋かをりさんもレギュラー出演しているので(ブログには番組のことも書いている様子),是非多くの方に見てもらいたいと思っている。

新刊「ウェブログの心理学」

今日届いた,

に,

が発刊されるというニュース。今時点でAmazonには出ていなくて,bk1では1〜3週間かかるとのこと。この業界も本揃えは大変なんだと思う。
著者のブログ・日記の中から,1つだけ紹介。