平成15年度PRTRデータの概要公表

ecochem2005-03-19

2004/10/26の日記(こどもたちに伝える環境問題)で挙げた,

にも記載したが,

が公表された。2005/02/27に書いた分子の流れによる動的平衡を考えると,この多種大量の人工化学物質は生物の世界でどのように動き回っているのかを自分なりに想像してみるのもいいだろう。かなり以前に作った次の教材も参考になるかもしれない。

ところで,動的平衡の話が載っていた福岡伸一さんの「もう牛を食べても安心か」(文春新書)が,週刊文春 2005/03/24号『私の読書日記』で取り上げられていた。執筆は池澤夏樹さんで(今年の元旦の日記で紹介),著者はただ安全の問題を論じているのではないこの問いを手がかりに生命の真の姿を見事に解き明かしているとある。本当に多くの方に読んでいただきたいと思う。

黒人初の大リーガー,ジャッキー・ロビンソン

上で書いた週刊文春 2005/03/24号『大リーグファン養成コラム』(李啓充さん)の今回は,「ジャッキー・ロビンソンの遺徳」。文春は面白いコラムが多いので気にいっているが,このコラムも楽しみ。まだ人種差別が強い時代に黒人初の大リーガーとしてデビューしたジャッキー・ロビンソン(1919-1972)が,脅迫まで受けながら活躍し(是非Web検索してお調べを!),チームメイトにも多大な影響を与えたことが書かれている。
たまたま先日,そのロビンソンを主人公にした,
ダブルプレー (ハヤカワ・ノヴェルズ)

を読んだばかり。ロビンソンのボディガードとして白人バークを登場させたフィクションで(帯の原リョウ〈フォントがないのだ…〉さんの惹句がいい!),ロバート・B.パーカーにはやはり,白人スペンサーと黒人ホークの名コンビを活躍させるシリーズがあるが,今回の新作も楽しく読めた。少年の成長物語も挿入されていて,組み立てはさすがだというのが第一の読後感。チームメイトとの関係はあまり出ていないが,脅迫などロビンソンが受けていた迫害は,今となっては信じられないほどである。主人公2人のやり取りが絶妙で,p.227には,ロビンソンの大リーグ入りは“たいへんな社会的実験”として,バークに次のように語らせている。

    「そして,それが終わったら,今後五年,十年,何年であれ,最高の選手がショーに出るのだ。ラテン系の選手黒人ユダヤ人アラブ人エスキモー日本人ボルティモア出身のデブ,誰であれ能力のあるものが入ってくる」
そう,野茂もイチローも松井も,ロビンソンがいたからこそなのだ。スポーツの世界でも歴史を知るということは大切なんだと思わされた。
なお,上記スペンサー・シリーズでやはり少年の成長をテーマにしたものとその続編として以下を紹介しておきたい。
晩秋―スペンサー・シリーズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
初秋 (ハヤカワ・ミステリ文庫―スペンサー・シリーズ)

ところで,一昨日サリンとも関連する脱線だが,アメリカにおいて核実験や廃棄する化学兵器(以下のニュース例参照)の保管・処分場所を選ぶときに人種差別的な決め方をされているという指摘がなされていることも知っておく必要があるだろう。