地球が宇宙になる

ecochem2005-03-20

地球は宇宙の一部なのだけれど,“宇宙旅行”という語に象徴されるように人間は時々線(その境界をどう引くかはまた諸説あって大変!)を引いてしまう癖があるようだ。
しかし,2005/03/17地下鉄サリン事件のところで書いたこども向けの防毒マスクなどは,地球が安心して住めなくなったために宇宙服のような装備をしなければならなくなったほんの一例のようにも見える。
自然界にも有毒なガスがあって,例えばようやく避難指示解除されて帰島が始まった三宅島では火山ガスに備えてガスマスクが必須で,やはりこども用が年齢・体型に合わせて何種類か準備されている。

また,ガスではなく紫外線ということでは,宇宙からの紫外線(UV)を防いでいてくれたオゾン層がフロンで破壊されて紫外線量が増え,日本でも紫外線情報が出されるようになったが,高緯度のオーストラリアではこども達が外出する時には大変な防備を課している。特に生まれつき紫外線に弱い体質でなる色素性乾皮症(XP)のこどものために,それこそ宇宙服のような服を着せることがあるのを見るとここは本当に地球なのかと疑ってしまう。

私のこどもが高校時代の体育祭でしっかりUVカットクリームを塗って,親の方だけ日焼けして赤い顔になったことがあったが,こども達が当然のようにそうしているのは昔は夏になれば平気で一日中海にいた身としてはどうにもやり切れない。
あるいは,各地で刃物でこども達が意味もなく傷付けられたり車で連れ去られたりする事件が続発する中で,切創防護服やGPS端末付きのランドセルなどが売られている現実を見ると,以上のすべてと温暖化,新興感染症,花粉症やシックスクール等まで含めた防護ということでは宇宙服のようなものしかなくなってしまうと,冗談でなく考え込んでしまう。また野生生物にはそのような宇宙服を手に入れる手立てがないことも忘れてはならない。
画像はJAXA宇宙航空研究開発機構)の宇宙情報センターで参照できる宇宙服である。

宇宙ではをなぜこのような服を着なければならないかについては,以下が参考になるだろう。

この14枚もの生地に象徴されるように,過酷な宇宙から生物を守ってくれている地球の環境が破壊されつつある現在,こども達が再び平気で外にとび出せるようにしていくのが親たちの世代の当然の務めなのではないだろうか。