まだまだ有害な人工化学物質は

ecochem2005-02-23

弘前にいた頃は徒歩と電車と自転車で用が足りていて,自動車の免許も持っていなかった。小さかったこども達の保育園への送り迎えも自転車かそり(吹雪の中,防寒着の上をマフラーでグルグル巻き)だったのを思い出す。
新潟に来て不便で免許をとって車通勤になってしまったが,排気ガスの行く末(どこかに赤ちゃんにも行っているだろう…)を思うと常日頃堕落したなと思うばかり。新潟市は面積が広いものの地下鉄はなく,自家用車に頼る比率が高い都市と言えるだろう。
そんな中に以下のニュース。

多環芳香族炭化水素(PAH)の多くはもともと,

に含まれるが,暴露された本人だけでなく母親の場合はこどもにまで影響が及んでしまうというのは,

昨日のDESなどの新たな復習ということか。
画像は,PAHの例であるベンゾ[a]ピレンの体内代謝物(水に溶けにくいものを溶けやすくして排泄しようとする産物)であるジオールエポキシドが遺伝子DNAの中に入り込んでしまった構造例。

平板構造をもつPAHがやはり平板構造のDNAの塩基(ATGC紫線は水素結合)の間に入り込んで悪さをしていることがわかる。
科学でここまでわかっている環境問題でさえ対応していくことは難しく,ましてや因果関係が解明されていない問題に対しては道程は遠く,その間もこども達は様々な望まぬ影響を与えられ続けることになる。
ついでに,こども達向けの環境サイトも以下の例のように多数あるが,こども達に環境問題を学んでもらうスタンスのものが多く,弱者であるこども達の窮状を訴えるサイトこそ増えて欲しいと切望する。