山田昌弘さんの「希望格差社会」

自らの課題図書にしていた,
希望格差社会―「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

をようやく取り寄せて読む。“格差社会”という注目のキーワードを読み解くのに必要な図表や文献が多数出ていて大いに助かる。
はしがきにある,日本社会は,将来希望がもてる人と絶望している人に分裂していくプロセスに入っているのではないか”という表現にすべて集約されるだろう。このことが7章『教育の不安定化』や8章『希望の喪失』にあるように教育問題にも深くリンクしていることは,

で引用した宮台真司さんの“「みなさんが社会だと思っているもの=学校的な諸事物」からの「退却」”という指摘とも通ずるものがある。
また格差社会については先月,

でも取り上げられていたが,2005/04/21の「半島を出よ」を書いた村上龍さんも,一昨日朝のスーパーモーニングでの鳥越さんとの対談において,すでに始まっている格差社会という現実をきちんと国民に説明しなければ大変なことになるというような話をしていた。
なお,村上さんは同番組だけでなく,先日記したようにNHK総合TV「スタジオパーク」に出演したほか,今夜もこれから報道STATIONに出演するようである。
もはや回避できない新しい枠組みを,どうやって受け入れていくべきなのだろう。