バイオレメディエーションとファイトレメディエーション

ecochem2005-05-31

毎年,米の収穫時期に問題になるのがカドミウム汚染米。鉱山から流れ出るなどして水田の土壌に含まれたカドミウム(Cd)が米に吸収されるもの。

主にこのカドミウムや鉛などの重金属を吸収しやすい植物を使って土壌から除去しようというのがファイトレメディエーション(phytoremediation)。一方,PCBなどの有害化学物質を分解できる微生物で浄化しようとするのがバイオレメディエーション(bioremediation)。
先日購入した雑誌の解説,

にはそれらにかかる軽費が紹介されていた。

物理・化学的な方法に比べて安価で,適した植物や微生物が見つかればよいのだが,汚染者の人間にとって都合のいいものを見つけるのは容易ではない。
2つのアニメ画像は,カドミウムをつかまえてくれるペプチドであるメタロチオネインの例。システイン(Cys)を多く含み,その硫黄()の部分がカドミウム)と結合していることがわかる。アミノ酸数が少ないのにちゃんと立体構造を維持しているという点では,2005/10/01で“こどもタンパク質”と呼んだシニョリンを思い出すが,メタロチオネインは独自の機能を有しているところに関心させられる。なお,上掲バイオニクス6月号の別記事p.88にはシニョリンの話題も出ている。
詳細は以下で。