トランス脂肪酸あれこれ

ecochem2005-09-18

会員になっている新潟県エコビジネスネットワークから,新潟市で2005/10/26-27に開催される行事の広報メールが届いた。

シンポジウムのコーディネーターを務められる安井至先生は,著名な,
市民のための環境学入門 (丸善ライブラリー 276)

を運営しているが,その最新記事は,

で,そこからリンクしてある,

には,拙著掲載の分子モデルの話が出ている(と,しっかり自慢話)。どうやらシンポジウムは見に行かなくてはならないようだ。
さて以降はトランス脂肪酸について。脂肪酸(一般式はR-COOH)については「動く分子事典」にも詳しく書かれているが,シス型脂肪酸(cis fatty acid)とトランス型脂肪酸(trans fatty acid)の例を下図で示すと,青矢印の二重結合に着目して,ピンク色矢印の水素が,同じ側にあるのがcis,反対側にあるのがtransと区別される。因みに下図上のcis型はオレイン酸(oleic acid,cis-オクタデカ-9-エン酸)で,下はそのtrans体で,こうなるとオレイン酸とは呼ばない。


一番上のアニメ画像もそれを示したもので,化学をやっている友人がいたら携帯で画像を見せてcistransを当てさせるのもいいかも知れない。
なお,

に,「オレイン酸:9-オクタデン酸」とあるのは「9-オクタデン酸」の間違い(正確には上のようにcis-オクタデカ-9-エン酸)。もしかしたらもう修正されているかも知れないけれど。化合物の名前について詳しく解説している,

も参照されますように。
ところで,先日講義のネタにしようと思って購入した,
使うな、危険!
新・食べるな、危険!

の前者にもトランス脂肪酸の話題が載っている(p.184)。なお,食品と暮らしの安全基金は以前は日本子孫基金と称していて環境ホルモン問題などを取り上げるなどの活動を続けている団体。書籍の内容をどう受け取るかは個々人で異なるだろうが,個々の商品について写真取材なども交えて調べてあるのは助かる面も多い。ただ,人工甘味料スクラロース2005/03/06の日記参照)を取り上げていないのは残念。
最後に,トランス脂肪酸について書かれたブログ例(go.jp発信)と,関連で見つけた『こども』向けの健康・栄養ニュースの所在を示しておこう。