国会図書館サーバに収録された電子論文

先日の別ブログ記事に関連して。

ここに記載したように,

では,まず公的機関のコンテンツを中心に同サイトのサーバに保存し,元データが消失しても検索で閲覧できるようになる。
試しに私の名前で検索すると『書誌・本文検索結果』が現時点で47件見つかる。これは冒頭のブログ記事に書いたように,公的機関のリンク集(環境情報やBSE情報など)に収録されているものもあるが,私の所属する日本コンピュータ化学会(SCCJ)がその前身である化学ソフトウェア学会時代から,国内では早期に印刷版と同時に電子版(会員以外も閲覧可能)を公開する方式を採用したことが報われて,それもしっかりWARPに収載されているためである。SCCJ論文誌への投稿者は印刷用と電子版の両方を作成する必要があったが,電子版(HTML;現在はPDFが主)ではカラー画像を載せることができるのでやりがいのある面も少なくなかった(逆に印刷版は白黒印刷でも見やすいようにプログラムや画像を作成する必要があった)。今回,それがこのような形でほぼ永久保存されるのは有意義なことに違いない。
もちろん,上述のように公的機関からリンクされていても,その先がWARP未収録コンテンツではリンク切れになっている現状もあり(現在のオリジナルコンテンツにはリンクしているがサイトが無くなったりURLが変われば完全なリンク切れ),個人のコンテンツも早急に収集して欲しいことに変わりはないけれど。
さて,SCCJ論文誌に最初に載った拙論文のWARP収録版とその中の画像例は以下になる。Internet Archive版も一緒に示しておこう。画像もプロパティのURLを見れば各アーカイブ収録版であることが確認できる(サーバが無くなったり休止したりすれば表示されなくなる)。


画像で示した黒体放射スペクトルを説明するPlanckの公式(WARP収録版)


Planck式計算結果表示例(Internet Archive収録版)
※元プログラムは現在のPC環境では動かないので,時間ができたらExcelに移植したい。

何れも画像の収録漏れがある得ることはご愛嬌。上の数式の画像は,Wordで書いてWebで見ても違和感がないように加工して(ギザギザを消して)gifにしたことを覚えているが,その労作がしっかり国会図書館に保存されたことになる。
さて,2004/10/15に書いたように,この「はてなダイアリー」では数式が表示できるので,同じ式を以下に示してみよう。
    Rd\lambda=\frac{8\pi hc}{\lambda^5}\frac{d\lambda}{\exp(ch/k\lambda t)-1}
ブログでこんなことができるようになったのも,まさに時代の進歩である。また,自作Webページ開設は2006/07/15に書いたように1996年であるが,上掲SCCJ論文は1993年で,この頃からHTMLと格闘していたことがわかる。
最後に余談。WARPで自分の名前で検索した中に,以下の講義資料があった。私のWebページのコンテンツの画像をいくつか使ってくれているもので,この資料の存在は以前から検索で知っていたが,これも今回国会図書館のサーバに収まったことになる。

Webに出しておくことで,黙っていてもいろいろな形で保存されるようになったということであろう。劣化しないバックアップがあちこちにあるという意味でも,これは印刷物ではとうていあり得ないことである。