「フューチャリスト宣言」とつなぐ作業

2007/05/15に書いたように,
フューチャリスト宣言 (ちくま新書)

の両著者サイン本が当選し,本日帰宅したらポストに届いていた。お二人のお人柄が見えるような筆跡に大感激しつつ夕食で祝杯をあげる。


p.149には梅田さんの「ウェブ進化論」が出た直後に茂木さんがインターネットについて,『人類史上,おそらくは「言語」が獲得されて以来最大の地殻変動』と評されたとあるが,言語獲得と印刷の中間にあるとも言える直筆のサインを見ながら不思議な気持ちになったりしている。
この本は,帯にある『ウェブ世界を疾走せよ!』という言葉に象徴されるように,“言語誕生以来”のウェブというとてつもない存在と,それを使うことを許されている私たちひとりひとりがどうつき合っていくかという提言書とも言えよう。
私自身,10年以上闇雲にウェブとつき合ってきたが*1,そのウェブというものの社会における位置付けをその著作を発端として茂木さんはじめ多くの方々との触発作用で明確にしてくれたのが梅田さんだと思っている。
また本書冒頭で茂木さんが語ってくれている,ほんの少し前までの輝かしい未来に対する希望と対照的な今という時代のどうしようもない閉塞感,そしてその暗雲を晴らしてくれる可能性を担うウェブを通した『フューチャリスト宣言』。これはもうお二人の姿勢を励みにするしかないではないか。
『世界の最高学府』,『もう一つの地球』,『群衆の叡智』*2,あるいは地方短大に身を置く身として『大学で教えるエネルギーをブログにかけたい』,『大学はもう終わっている』といった,例によってゾクゾクさせてくれる言葉が散りばめられていて,ネットに向かい合う新たなる意欲をかきたててくれる。
さて,ここで自慢話。
梅田さんも茂木さんと養老孟司さんとご縁が深いが,かなり以前に養老先生が私の職場に特別講演にお出で下さったことがあり,講演後にろいろ話をして無理やりサインをお願いしたことがある。パソコン談義もさせていただいたのだけれど,この頃はまだネットの縁というより本という存在が大きかったように思う。
さらに梅田さんは,
東大のこと、教えます―総長自ら語る!教育、経営、日本の未来…「課題解決一問一答」

で東大総長の小宮山さんとこれもまた刺激的な対談をされているが,私も小宮山先生との共著(ただし書店では売っていないので共著と言えるかどうか…)があり,一度だけ工学部教授時代の先生と編集会議でご一緒したことがあるのである。もちろん小宮山先生はその他大勢である私のことはご記憶にないと思うが,環境関連の著書は以前から読んでいたので一方的に感激したことだけは覚えている。地方にいてこのような機会に恵まれたのは,間違いなくパソコン通信時代を含めたネットでの活動(つなぐ作業)のお陰だと思っている。
自分自身のそのような些少な経験を通しても,やはりウェブという環境は誰にでも大きなチャンスを与えてくれるものだと間違いなく主張できる。
それは梅田さんと茂木さんの共著が生まれたように,いろいろなヒトとモノをつないでくれれる存在であると同時に,誰もが多様で進化する様々なWeb2.0ツールを自分なりに使いこなしながら*3情報発信することで自分の住処とできる存在であることを認識することでも裏打ちされるだろう。
もっともっと書きたいことはあるのだがそれはこれからの活動に託し,最後にお忙しいお二人にサインしていただいたことに感謝してこの稿を閉じたい。本当にありがとうございました!*4

*1:その10年を振り返った記録として例えば,試論「大学人向けWeb参考書で分析する「生活環境化学の部屋」」をあげておく。

*2:私の言葉で言えば『知の沃野』。

*3:この点で,p.90〜でSNSが主にオープンな検索対象にならないという理由でWeb1.0的であるとする見解は少し残念に思う。SNSでなければ発言できない方やSNSの方が居心地がいいという方もいるので,いろいろな場をつなぐという営みは今のところ欠かせないと私自身は考えているからである。

*4:梅田さん茂木さんはてなダイアリーにTBを送らせていただく。