ムコ多糖症という難病
2007/05/22ほかで紹介した,
を読んでいると,生体分子の異常や欠損などがそれぞれ特有の疾病に結び付いていることを改めて思い知らされ,その中には耳慣れない難病も多数あって患者を苦しめている実情に胸が痛む。
このブログで度々紹介する,
にあげられている多様なタンパク質はいろいろな働きを担っているが,これらの分子の遺伝的な異常が原因となっている様々な疾患をムコ多糖症(ムコ多糖類症,MPSと略記する場合がある)と総称する場合がある。以下のサイトをご覧いただきたい。
- ムコ多糖症支援ネットワーク(ムコネット)
- 日本ムコ多糖症親の会
- リソソーム病(Glyco Forum / GlycoSquare)
- 遺伝性ムコ多糖類症(メルクマニュアル 第17版 日本語版)
- ムコ多糖症 - Wikipedia | ライソゾーム病
- Yahoo!カテゴリ - ムコ多糖症
- Googleによる“ムコ多糖症 糖鎖”検索結果
最近このムコ多糖症の治療に関連して,いくつかのニュースが出ている。
- 難病・ムコ多糖症の新薬10月にも承認へ、患者家族ら歓迎(読売,2007/09/02) ※ムコ多糖症 MPS II型の治療薬である酵素製剤イデュルスルファーゼ(idursulfase:製品名はエラプレース〈Elaprase〉)
- アンジェス、ムコ多糖症VI型治療薬「Naglazyme」の国内での承認を申請(日経,2007/08/13) ※遺伝子組換えアリルスルファターゼB製剤ガルスルファーゼ(galsulfase:製品名はナグラザイム〈Naglazyme〉)
今まで知られていなかった病気の存在が明らかになってその機序の解明研究・治療薬開発と並行して,保険診療の適用や新薬の承認などが求められていく訳だが,それに際してはその疾患を広く知ってもらうことで周囲の応援を得ることがポイントになることが少なくない。そこにおいてもネットが有効に活用されていくことを願っている。
※参考:β-グルクロニダーゼ(この欠損症がムコ多糖症 MPS VII型)の例1bhgのChain A