Y染色体のSRY遺伝子の命運やいかに

ecochem2008-05-06

2008/03/30に記したダーウィン展の影響だろうか,先ほども,

が放映されていた。例えば展示されていた多彩な脊椎動物骨格標本*1を見比べて,なんでその類似性と独自性から進化という発想にそれまで思い至らなかったのかとつい思ってしまうけれど,知ってしまった後では知られていなかった時代のことを想像することは不可能なのだろう。そこに科学の誕生した意味があるとも言える。
その進化の中で「性」が誕生し*2,現在に至ってオスを決定するとされているY染色体が風前の灯であることはよく知られている(X染色体に比べてずっと小さく,その差は開く一方なのだ)。個人的には,人間の足の小指の爪ような存在だと爪を切るたびについそのことを思い出してしまう。

  • 進化の先端走るトゲネズミ/雄なのにY染色体がない(朝日新聞・科学欄,2008/05/05)

Y染色体がなくてもオスが誕生するということで,性を決めているとされるY染色体中のSRY遺伝子以外に性決定遺伝子があるのではないかというのが記事の要点。まだまだ生命の世界の謎は多い。


ヒトのSRY-DNA複合体構造例1hry
※参考:ヒトゲノムマップに見るタンパク質
(トップ画僧は一家に1枚ヒトゲノムマップWeb版より)

*1:北海道大学総合博物館でも見せてもらうことができた。

*2:ダーウィンの業績の中には性選択も含まれる。