オキシトシンと格闘した一日
3日後に迫った,
の記事掲載を地元各紙を依頼しておいたところ,今日の産経新聞新潟版の告知板という情報コーナーに載せてもらうことができた。2008/04/16に記したように以前詳しく紹介してもらったのを頼りにお願いさせてもらったものである。
同紙を読んでいたら,以下のように興味深い記事がいくつか載っていて,今日一日それに振り回されてしまった。
- プラスチック原料を食品安全委に諮問 厚労省(産経,2008/07/09)
- 【教育】「ネット書き込み]指導 小学校道徳、解説書に初明示(産経,2008/07/09)
- 【秋葉原通り魔事件】暴発は脳の機能不全? 脚光浴びる脳科学(産経,2008/07/08)[1/2] | 同 [2/2]
- 参考:情動の科学的解明と教育等への応用に関する検討会報告書(文部科学省,2005/10)
- 参考:雑誌レポート『暴力を生む脳』,こころのサイエンス02号(日経サイエンス 2007年7月号臨時増刊)
- 参考:時代は読脳術へ(本ブログ,2006/12/12)
後二者は昨日で1カ月になる秋葉原の事件に関わっている。
自分自身では上記記事のような脳科学あるいは下記のような社会学や生命学の視点から,問題について考え続けたいと思っている。
- 宮台真司,『個人が阻害されぬ「場」を』(朝日,2008/07/08)
- 某全国紙に掲載されるはずだった秋葉原通り魔事件のコメント(MIYADAI.com Blog,2008/06/15)
- マル激トーク・オン・ディマンド 第378回 [2008年6月27日収録] 死ぬか殺すかまで若者を追いつめる労働現場の現実とは/ゲスト:雨宮処凛氏(作家)(同,2008/07/03)
- マル激トーク・オン・ディマンド 第376回(2008年06月14日)なぜ秋葉原なのか、なぜ携帯掲示板なのか、なぜ無差別なのか/ゲスト:東浩記氏(同,2008/06/15)
- 6/12朝日新聞秋葉原記事(kajougenron 渦状言論,2008/06/25)
- 「感じない男ブログ」の“秋葉原 事件”言及エントリー
産経の脳科学関連記事には参考に付した文部科学省の報告書からベンゾジアゼピン受容体にも言及している。こうなると生体分子の世界だが,そこで思い出すのがオキシトシンである。いくつかニュース等を列挙してみよう。
- 愛情ホルモンで精神疾患治療(MediEigo,2008/06/12)
- Google News Archive Searchによる“オキシトシン”検索結果
- 認識や愛情行動促す物質を特定、治療へ応用も 金沢大(朝日,2007/02/08) ※東田陽博教授らによるオキシトシンとタンパク質CD38に関する研究
- 東北大学など、CD38はオキシトシン分泌を調節し動物の社会行動を制御と研究成果を発表(朝日,2007/02/07)
- オキシトシン - Wikipedia
- C. H. キンズレー/K. G. ランバート,『子育てで賢くなる母の脳』,日経サイエンス 2006年4月号
オキシトシンはアミノ酸数が9のペプチドホルモンであるので,その結合タンパク質との結合情報がPDBsamにあるはずだと思いつき,あれこれ新しい工夫をして以下に掲載することができた。これで通常の低分子と糖鎖に続いて,ペプチドについても同じページで紹介できる目途がついたことになる。
1npoのオキシトシン(CPK色でドット表示)とSITE部分(疎水性インデックス順で着色)
分子というものに情動が影響されることを知ることがまずは重要と考えるのだが(エタノールという簡単な分子でも言えることは多くの人が認識している),みなさんはいかがでしょう。