PRTRやREACH等に見る人工化学物質対策の動向

ecochem2008-07-21

書き遅れたが,本ブログでもたびたび取り上げているREACH等,化学物質に関する情報を掲載したメールマガジンニュース,

に関連して。

    [2]欧州化学物質庁(ECHA)のSVHCに関する報道
         《 中 略 》
    【附属書XVに基づくレポートが提出された物質】
    (1) Anthracene (2) 4,4'- Diaminodiphenylmethane (3) Dibutyl phthalate
    (4) Cyclododecane (5) Cobalt dichloride (6) Diarsenic pentaoxide
    (7) Diarsenic trioxide (8) Sodium dichromate, dihydrate
    (9) 5-tert-butyl-2,4,6-trinitro-m-xylene (musk xylene)
    (10) Bis (2-ethyl(hexyl)phthalate) (DEHP)
    (11) Hexabromocyclododecane (HBCDD)
    (12) Alkanes, C10-13, chloro (Short Chain Chlorinated Paraffins)
    (13) Bis(tributyltin)oxide (14) Lead hydrogen arsenate
    (15) Triethyl arsenate (16) Benzyl butyl phthalate
の中には環境ホルモン問題でも取り上げられた可塑剤(DBP,DEHP,BBP)や防汚塗料TBTOと並んで,2008/02/19に記したHBCDD(HBCD)も出ている。

このページの有機ハロゲン化合物は,以下にも登場している。

    番号 CAS番号  物質名
    255 1163-19-5 デカブロモジフェニルエーテル
     …DBDE(物質に関する基本的事項 [PDF]参照)
    394 1763-23-1 ヘプタデカフルオロオクタン―一―スルホン酸(別名PFOS) …冒頭の分子画像

ここで上記DBDEについて,2008/02/19の,

を利用してlog P値を求めてみた。


SMILES記法:C2(OC1=C(Br)C(Br)=C(Br)C(Br)=C1Br)=C(Br)C(Br)=C(Br)C(Br)=C2Br
Average logP: 9.98(+-1.5)

さらに有機概念図計算シートでlog Pを推算したところ,ほぼ同様の値が得られた。

新規化合物のリストアップなど,国内外の化学物質規制情報の動向に目が離せない状況だが,上述のようなデータ集やツールを用いて統括的に理解してもらうことが不可欠になっている。
そしてそれは冒頭のメールマガジン発行元のサイトに,以下のように書かれていることからも言えることと考えている。

化学物質国際対応ネットワーク