炭疽菌事件の静かな幕切れ
2001年の9.11に続いて起きた炭疽菌事件は全米を震撼させ,世界中で悪質ないたずらを含めた模倣事件が連続したが,7年の歳月を経て終焉を迎えたとのニュース。
- 米01年の炭疽菌事件、自殺した研究者の単独犯行と断定(読売,2008/08/07)
- 米国:炭疽菌事件 自殺科学者の単独犯 米司法省、捜査終結(毎日,2008/08/07)
- 自殺した米研究者、炭疽菌事件の指紋とDNA一致(AFPBB News,2008/08/05)
その衝撃を考えると静かな幕切れともいえる。当時は新潟県内でも白い粉の入った封筒が電車内で見つかるなどしたが,つくづく人間は後先を考えずにマネをする動物だと思わされる。
日本では地下鉄サリン事件が起きた経緯もあり,NBCテロへの関心が高まり自作サイトでも以下のページを立ち上げ,その後の関連事件を含めてずっと注目し続けてきた。
このページはGoogle検索でもほとんどの期間トップを維持していて,幅広い情報を継続して提供し続けることの重要性を実感する一例となっている。
Googleによる“NBCテロ”検索結果
炭疽菌(Bacillus anthracis)が有する致死因子(LF),防御因子(PA),浮腫因子(EF)という3種類の毒素タンパク質や治療薬についても上掲ページで紹介しているが,以下はそのLFに結合した治療薬候補例である。
阻害剤例とZnイオンを含む炭疽菌致死因子(LF)のPDBsumデータ1zxvより
生物の世界のルールを悪用する愚かな生物兵器の開発が完全にストップすることを改めて切望する。