2009年の日食(追記あり)
新潟市の職場では曇天が幸いして肉眼観察が可能に
(新潟市東区海老ヶ瀬471,11時3分撮影)
Googleトップページも今日は日食
その時刻が現代では予告される日食という事象にいろいろなことが想起される。
◎伝承
NHKの特集番組でも世界各地の伝承が紹介されていたが,日本では『天岩戸』。手塚治虫「火の鳥」が個人的にはどうしてこ思い出される。
◎光ありき
モノが見えるには光源と物質と観察者が不可欠。生命の誕生と持続のためには太陽の光エネルギーが不可欠,
だったわけであるが,それに付随して「視覚」つまり「見る」・「見られる」という永遠循環が創出された。以下の好著がその生命史と仕組みの多様性をダイナミックに語ってくれている。
そして「見る」・「見られる」と言えば学生時代に読んだ一節が忘れられない。これは上の本に書かれていることと繋がっているようにも思われる。
- 安部公房,「箱男」,新潮文庫(1982) ※私が読んだのは1973年発行の単行本
見ることには愛があるが、見られることには憎悪がある。
◎ヒトの「見る」仕組み
そして日食の太陽を見る私たちヒトの視覚は,たくさんの生体分子の迅速で協調的な光化学反応に支えられている。それは感度がよ過ぎるために光源である太陽を直視すれば破壊されてしまうというシステムでもある。
- モノはなぜ見える(生活環境化学の部屋) ※トップ画像は同ページ掲載のウシのロドプシン(暗順応)構造例1jfp *1
◎太陽定数,地球の温度,温暖化,…
強烈な太陽の光を改めて実感しながら,生命を育む背景として地球の温度維持の役割も太陽が担っていることを思い出させてもらった。その延長上に温暖化問題があることも。
上記教科書の教授資料(下)で関連解説執筆を担当
今夕職場からの帰りに見えた沈みかけの夕陽が,いつになく大勢に見られたためか真っ赤に染まっていたのが印象的だった。
*1:2008/05/14の記事画像の再掲