「生きろ」というメッセージが弱まっていないか

小さな命が失われていくニュースが続き,このブログを立ち上げた意味も消え入りそうな思いでいる。
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ジブリもののけ姫」のメインコピー『生きろ』を産み出したのは糸井重里さんであるが,昔見た海外の科学番組で,多細胞生物もお互いの細胞間でそのメッセージを与え合わない限り生き続けられないことが語られていたことが強く心に残っている。
そのことは以下のページでも触れられている。

    “一方、細胞が生存するには「生きろ」という命令を他の細胞から受けることが必要です。例えば細胞間情報伝達物質が多くの細胞の生存に必要です。この生存に必須な因子を欠いたとき、細胞アポトーシス引き起こします(Hrk参照)。生存を命令する因子にも受容体が存在しています。このように通常、細胞の生死は他の細胞から「死ね」「生きろ」というシグナルによる調節を受けています。これにより個体としての統合性を維持しているのです。”
私がこのブログで生体分子を取り上げるのも,生命体というものが多くの生体分子の協調関係で成り立っている貴重な存在であることを知って欲しいという思いが背景にある。
生命体が集まったさらに上位の生命体である社会において,もしそのメッセージが弱まって,相反するメッセージが増えているとしたら,それは勝手なことばかりしている人間社会が滅ぶべき時期にきてしまったせいかも知れない。
そうではないことを願いつつ,このブログを書き続けたい。