子ども達の睡眠不足・睡眠の乱れと生命時計

ecochem2005-02-26

2005/02/23の日記に朝食のことで書いたこども達の生活のリズムに関連して睡眠の方では,

というニュース。人類がプロメーテウスから火をもらい,エジソンの電球の発明などを経て,暗くなったら寝るということから遠ざかることが可能になってからずいぶん時間が経ったけれど,脳を含めて生身の身体の方はそうはうまく追従できていないというのが最近の考え方のよう。
眠りを奪われた子どもたち (岩波ブックレット (No.621))

“腹時計”という語に象徴される生物のリズムを刻む体内時計の研究も,その役者である生体分子の発見などで賑わっている。

今日の画像は最後の研究で解明されたタンパク質データ(PDBデータ1V2Z)で作成したアニメーションで,目立たせてあるのが生物時計のリズム発信に不可欠とされる270番目のヒスチジン残基。これも生体分子が休みなく働いているほんの一端で,知っておいて損はないだろう。
なお,Protein Data Bankや一般的な検索サイトで“Circadian Clock Protein”をキーワードにしてデータを探してみるのもいいと思う。
関連して,理系書籍としては一世を風靡した新書とその絵本版,
ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)

も,まだ読んでいない方にはお勧め。

タミフルで新しいタイプのインフルエンザ脳症?

タミフル以外の要因もあるのではないかという指摘もあるが,医薬の効き目が精緻化していくことに伴うベネフィット(発熱に弱いこどもを守る)とリスクなのだろうか。生命システムの複雑さの研究を一層進めた上での,大人とこどもとの違い,あるいは個人差までを視野に入れた医療が求められている。
なお,タミフルの作用機序については以下に図などを掲載(分子参照には,要・Chimeインストール)。