MOLDAの吉田先生

ecochem2005-01-08

今日の午後,日本が世界に誇る分子モデリングソフトウェエアMOLDAの作者である広島大学の吉田弘先生が,この2日にご逝去されたという連絡メールをある先生からいただきました。これまで,「動く分子事典」付録CDへのMOLDA収載分子振動データ集iモルダなどでいろいろ教わりながら共同作業をさせていただき,メールでも日本の化学歴史など,様々なことを教えてもらいました。これからも化学への想いを語っていただきたかったのに本当に残念でなりません。
※参考:「生活環境化学の部屋」サイトの吉田先生関連のコンテンツ(Google検索結果)
以下にMOLDAページ日本語版トップに書かれている分子への愛着を転載させていただき,謹んでご冥福をお祈りいたします。

    わたしたちは分子でできている
    わたしたちのまわりにあるものは分子からつくられ、それらの性質や反応性は分子の形によって知ることができます。そこにはさまざまな形をもった分子が満ちあふれ、それぞれが固有の色やにおいやかたさを表現しています。山や川や海で生活する動植物たち、あるいは私たち自身もまた、これらのさまざまな形をもった分子たちが調和のとれた化学反応をおこなうことによって生きています。身近にある物質はたかだか数十種類の元素からなっており、色などの物質の性質や化学反応のしくみ、さらには遺伝や心のはたらきといったものまで分子から説明できることを化学という学問は明らかにしてきました。このような観点から自然を眺めることは、人々に新しい物質観・生命観をもたらし、これまで何気なく見てきた周囲のもの、あるいは自分自身に対して驚異と畏敬の念を抱かせることになるでしょう。
    MOLDAホームページは、分子のかたちの中にある何か崇高で深淵で美しいものを感じとるひとたち、自分自身が分子からできていることを意識することによって新しい自分をみつけようとするひとたち、複雑な物質世界においてその背後にある単純な法則性を探求しようとするひとたち、さらには、これまでに自然界が創りだすことのできなかった物質を自らがデザインし,新しい地球を創造しようとするひとたちのためのページです。