国立科学博物館で分子と遊ぼう!!

ecochem2005-03-30

5日前に予告した,

の拙作データ利用状況と,同館の展示をより楽しく利用するための連携コンテンツをようやく公開。


ここに書いたように,展示では10種類の元素の組み合わせでできる身近な分子をたくさん紹介している。少ない原子種による限られたルールで生命の世界は成り立っていることを知ってもらえたらと思う。
上の紹介ページではそんな中でも少し複雑な分子の画像を示したけれど,この組み立てにはそれなりに苦労していることを示すのが上の画像。α-グルコースを本に書いてあるような構造式で組み立てて3次元モデルにすると,正しいものにならない場合が度々ある(と言っても,生物はその違いを容易に見分けられるけれど分子モデルを見たって化学が専門でなければよくわからない…;なお図では右下の立体構造が正解)。分子が複雑になればなるほど,正しい立体構造(これを確認するのも一苦労)への修正は分子ソフトとの騙し合いのようになるところが出てくるが,そのやり方は企業秘密。その苦労も知った上で科学博物館の展示や拙作コンテンツを見て欲しいとちょっぴり思う。
それにしてもバーチャルの世界でこれだけ厄介なのだから,分子がこういう形をしていることを実験と理論で見出した人間と,それよりもこんないろいろな分子を生み出した地球という環境には驚かされるばかりだ。