日化辞Webと分子への愛着

ecochem2005-04-02

収録件数約200万件の日本語版化合物データベースがオープン。キーワード検索,構造検索(右画像が構造作図中の例)が可能。Chime(詳細はこちら)で参照できるMDL分子データもダウンロードできるが3次元化はされていないのでご注意を。

ところが,化学構造がグジャグジャのものがかなりある上に,“ニトロ”で簡易検索すると,ニトロ基 -NO2 の 多くが -NO2H になっていて,化学式とも合致しない。私の想像ではおそらく,“構造データは日本語体系名から自動的に組み立て”した場合の問題と,既存データを“座標取得”して,データベース用にファイル再保存した時に分子ソフトが自動的に変換してしまったものと考えられる。その辺は,分子ソフトの癖について少しばかりまとめた以下のページを参考にしていただきたい(下にその画像例)。各結合にそれぞれのルールを決めているのは,結局は人間の恣意的な都合みないなもので,実在の分子はあずかり知らないことなのだけれど。

拙作サイトの分子データは,このようなデータベースやまともな文献がない頃から,学生の助けを借りて一分子ずつ作成したきたものばかりで(もちろん中には確認漏れもあると思う),作成に1週間もかかったものもあるなど今となってはどれにも愛着がある。
その辺の苦労話の一端は先日も書いたけれど,やはり大変なご苦労をされて作成したのにそのデータの多くを盗用されて解決に翻弄されるなど経験を経ている以下のデータベースも同じだと思う。

そんなこんなでバーチャルな分子に愛着を持っていると,リアルの世界で何らかの分子を悪用したり,生命体というすばらしい分子の集合体をないがしろにするような行為というものは,本当に許せない気持ちになってしまう。