夏休みの宿題をやりながら

個人的な夏休みの宿題も一進一退している間に8月も終わりそう。そんな中で生体分子ネタを2つばかり。
明日は3日前に書いた「水俣病40周年シンポジウム」を聞きに行く予定。2005/08/07で取り上げたWebページ「水俣病からメチル水銀中毒症へ」(熊本大学)の,

には,メチル水銀がタンパク質やアミノ酸のS原子(20種類のアミノ酸のうちシステインメチオニンだけが持つ)と結合して運ばれたり蓄積されたりすることが詳述されている。このことは,水俣病とは関係ないがメチル水銀を含むタンパク質データ1CWTで見ると以下のようになる。


水俣病の化学/メチル水銀生成反応より(要・Chimeインストール

また,水銀をカドミウムに置き換えれば2005/05/31のバイオレメディエーションとファイトレメディエーションの話題と共通する。まさに,生体と種々の元素との闘いを垣間見るような気がする。
もう1件は,2004/09/30に書いた,

の16章「分子構造と結晶構造」の多彩な図版を見ていて,『図16.55 風邪ウイルスであるライノウイルスHRV 16の構造 (PDB ID コード:1AMY)』をProtein Data Bankに見に行ったら別の分子が出てきたこと。調べ直したら,正解は1AYMの誤植とわかって,これはすでに伝わっているかも知れないけれど出版社に連絡するつもり。下はそのHRV 16の全体像の画像(PDB)を縮小したもの。みなさん,夏風邪など引かれませんように。