昨日の原田正純さんの講演

ecochem2005-08-22

昨日聴きに行った2005/08/17記載の新潟水俣病40年記念事業「新潟水俣病を考えるシンポジウム」,今朝の新聞記事に。

学生も誘ったけれどみんな都合が悪かったので,後で話すために原田さんの講演からメモ。

  • 患者を「見てしまった責任」
  • 自然界の仕組みには「希釈と濃縮」
  • なぜ公害の“原点”か:「工場排水」,「食物連鎖」,「胎児・胎盤
  • 新潟水俣病のことを聞いて信じられなかった」 …水俣という前例がありながら同じような工場でなぜ?
  • 「ローカルな問題抜きのグローバルの問題解決なし」
  • 「地元の問題を地元の住民と研究者が取り上げて研究し,地元に還元」
  • 水俣病を「医学に閉じ込めた不幸」
  • 「仮説→定説→権威」
  • 「フリーの利点」 …世界中の水銀(有機・無機)汚染地域の調査はすべて私費で(現地では危険地域の案内など最大限の協力)

また,2002年にも新潟青陵大学で開かれた講演会で原田さんの講演を聴かせてもらったが,今回も同様に新潟では胎児性水俣病のこどもが生まれるのを防ぐために,女性の毛髪水銀値をもとに妊娠規制が行なわれたことを,大変悔やんでおられた。「障害者」を社会をどう迎え入れていくのか,立岩真也さんや森岡正博さんが苦しみながら考察を続けていることと間違いなく強く繋がっている。
ところで,シンポジウムに出かける直前に,前日の仕事の続きで,以下にメチル水銀のキャリア(運び手)の話を追加。プリントアウトして持参し,講演の後で原田さんに挨拶して厚かましく手渡したけれど,読んでもらえるだろうか。


※左からグルタチオン,ヘモグロビン例1hho,血清アルブミン例1e7i
(S原子を大きく表示;図の拡大