ウィキ(wiki)から考える

ecochem2005-08-24

先日,以下の本を読んでブログという新しいツールの位置付けを自分なりに再確認することができた。
ブログ 世界を変える個人メディア

この中では,ウィキ(wiki)についても詳しく取り上げられており(索引には14ヶ所,特にpp.76-78;原文PDFではChapter 2: The Read-Write Web),これについても今後の講義等で扱っていく必要があると考えている。国内では以下のようなページが参考になるだろう。

Wikipediaについては,自分自身いろいろなコンテンツを作っている中でリンクを張らせてもらう場合が少なくない。例えば,石綿 - Wikipediaなど,最近の話題でも充実した項目があり,作成に参加している多くの方々の尽力に頭が下がる思いで,上掲書に書かれていることが国内でも浸透しつつあることを実感する。

ただ,項目が増えて便利になるのは有り難い一方,それを頼りにしてしまう場合が増えないかが気になる。
先月の鳥取大学での特別講義のレポートを見ているところなのだが(課題は低分子1つと生体高分子1つについてChime分子データを用いて調べること),最近はGoogleでキーワード検索すると上位に出てくることも多いためか,ほぼ5人に1人がWikipediaの文章を引用している。もちろん自分の考えをまとまるために上手に利用するのは問題ないが,今後あちこちの学校のレポートがWikipediaの文章のコピーばかりになっていくようでは目も当てられない。そのような危惧に対する対策もネット上で進められているのは嘆かわしい。
ネットに情報が蓄えられてそれ自体1つの脳に近づいていくのは喜ばしいことだが,それはあくまで利用者各自がそれぞれ独自の考えを形成していくための素材でしかなく,ただ“学び方”が変わっていくに過ぎない。ブログもそうだけれどネットというのは情報をInputするだけではなく,Outputの方が重要なのだということを忘れて欲しくない。