陣痛促進剤の副作用による母子の死亡例
今朝のニュースから取り急ぎ分子データも作成。
- 92年10月〜今年9月にかけて同会に寄せられた情報をもとにした実態調査では、全国で少なくとも子ども100人、母親27人の計127人が陣痛促進剤の副作用で死亡していた。
母子双方に取り返しのつかない影響が出ているのは大きな問題である。ネット検索でも上記の会の他にも多数のサイトがあり,深刻さが伝わってくる。
以下が使われている促進剤の例である(リンク資料の3D分子参照にはChimeのインストールが必要)。
陣痛促進剤の例
〔左〕プロスタグランジンF2α(「動く分子事典」p.23参照)
〔右〕オキシトシン(PDB 1npoのB鎖;amino色表示で空間充填はCysのS原子,上のアニメ画像も)
オキシトシンの詳しい構造は以下の通りである。
オキシトシンの分子構造(何れも空間充填はCysのS原子)
〔左〕上掲PDB 1npoのB鎖(PDB部分データリストで参照可能)
〔右〕H原子とC末端の-NH2を付加してMM2計算(C43H66N12O12S2)
なお,このブログでも何回か“性差医療”に言及しており,今後も大人とこどもの違いと男女の違いを関係付けながら扱っていきたい。その観点で以下は紹介し忘れていた本とWebページ。
また,2005/11/20に書いた今年のSTS学会年会でも以下のような研究発表があったことを書き添えておきたい。性差の中で見過ごされがちな問題はとても多いのだと思う。
- 小門穂・三村恭子(お茶の水女子大学21世紀COEプログラム「ジェンダー研究のフロンティア」),『婦人科内診台のデザインと女性への考慮についての一考察』
- ※追記:プロスタグランジンについて
- 室田誠逸・山本尚三 編,「プロスタグランジン研究の新展開」,東京化学同人(2001) …bk1情報
- 北泰行・平岡哲夫 編,「創薬化学 −有機合成からのアプローチ−」,pp.64-68など,東京化学同人(2004) …参考:よく使われている医薬品,bk1情報
- 山川浩司・金岡祐一・岩澤義郎,「メディシナルケミストリー 第5版」,pp.171-187など,講談社(2004) …bk1情報
- 雑誌特集『驚異の生理活性物質 プロスタグランジン』,現代化学,1983年2月号,東京化学同人