糖タンパク質データ集一歩前進

ecochem2006-06-11

生体分子の中でも最近注目されている糖鎖についてはここでも時々取り上げている。

糖鎖はいろいろな場で登場するが,例えば血液型も糖鎖によって決まっているし,インフルエンザも糖鎖が重要な鍵を握っている。

糖タンパク質では,構成糖の種類が多いだけでなく,お互いの結合位置の違いや分岐の多様性など,非常に複雑で,多数存在するデータベースなどでもその分類方法や表記に独自の工夫を凝らしており,わかりやすいデータ集を作成するにも苦慮する面が多い。そんな中,先日以下の解説書を入手し,多少方向性が見えてきた。
バイオテクノロジージャーナル (Vol.6No.3(2006-5-6))

糖鎖を種類ごとに色分け表示することは以前からの課題だったが,取りあえず一部に対応させて以下のように公開したので参照していただければ有り難い。

また,今後多数のデータベースを研究していく予定で,その成果は以下に記録していくつもり。

最下段に掲載した図は,

で入手した糖鎖結合情報の例である。DL用データは172MBと巨大で,解凍すると画像形式など多彩な情報をオフラインで利用できるのは大助かり。ブラウザで参照できるsvg形式データ(現在18,185件!)がお勧めである。一定のアルゴリズムの元に作成されたものと思われるが,作成された労力に敬意を表すばかりである。