吉村忠与志先生が化学教育賞受賞

の中で以下のご著書*1
コンピュータ化学―インターネット時代の化学情報工学

  • 吉村忠与志・上嶋晃智,「コンピュータ化学 ―インターネット時代の化学情報工学」,サイエンスハウス(2003) …bk1情報


を紹介させていただいた,吉村忠与志先生が日本化学会の化学教育賞を受賞されたことを届いたばかりの「化学と教育」2007年3号で知った。
『コンピュータを活用した化学教育振興への貢献』に対して賞が贈られるもので,その幅広いご業績は以下のように紹介されている。

  1. コンピュータ化学をベースとした学術活動
  2. e-ラーニングの化学教材の開発と実戦
  3. 地球的視点からの化学技術者教育
  4. 工業高等専門学校生のレベルアップと勉学意欲の高揚

1 においては化学PC研究会を設立され,その後,化学ソフトウェア学会を経て現在の日本コンピュータ化学会にまで発展させていく上で主導的な役割を果たされたことが述べられており,研究会に途中から参加している一人としてずっとお世話になっていることになる。この場がなかったら私の大多数の仕事はなされなかっただろう*2
また 3 では“専門教科において環境科学を積極的に導入し”た成果として以下の書籍があげられている。
グリーン・ケミストリー―ゼロ・エミッションの化学をめざして


所蔵図書館マップで見る「グリーン・ケミストリー」

私のサイトの環境関連コンテンツ等を見て著者に名を連ねてくださったのだが,日本では先駆的に「グリーン・ケミストリー」の出版に取り組むなど(それゆえ上図のように多くの図書館に所蔵された),上掲コンピュータ化学の学会立ち上げなどとも併せ,いつもその先見性には驚かされる。なお,この本の執筆に加わったことは,以下の新聞記事を書く際にも役立たせてもらった。

その他,東京で開かれた環境ホルモン関連の講演会を聴きに行った時や,2005/07/20の記事に書いたMiraikanフォーラム2005でもたまたま別のお仕事のついでに寄られた吉村さんと鉢合わせしたことがあり,その時々で関心を持っていることに重なりを感じる部分もあって,その意味でも今回のご受賞は個人的にも大変うれしく思う。
昨日から関西大学で開かれている日本化学会第87春季年会2007で受賞講演をされるのだが,今年会は欠席してしまったので残念ながら聴かせていただくことができないのが申し訳ないところである。

*1:冒頭のエントリーに書いたように10頁にわたって私のサイトを紹介してくれている。

*2:同じく冒頭の記事に書いたMOLDAの吉田さんの知己を得ることもなかっただろう。