避難所にいるこどもたちと母親たちにエール(続き)

ecochem2004-11-09

昨日の続き。ふと“子育ち”という語を思いついてWebで探したら結構使われていることもあって,昨日に遡ってキーワードに追加。
さて,標題とは少しずれるかも知れないが,母と子の関係で思い出したのが,1004/10/25の日記の拙文,

でも引用した,

のp.58に出てくる,心理カウンセラーの三沢直子さんの次の一文。少し長いが,こどもを育てる時期の特殊性と,周囲のサポート・助け合いの必要性を端的に語っているので引用させていただく(漢数字は変更)。

     実りのないコミュニケーションということから言えば,母親はコミュニケーション自体から切り離されてしまう状況があります。母親になって初めてわかったのは,新生児を抱えて部屋の中に24時問,物言わぬ赤ん坊と2人きりでいる状態がどれほど辛いものかということです。
     実は子どもが風邪を引いていて,1週間ぐらい雪に降り込められて,なおかつ夫が仕事でいなくて本当に赤ん坊と2人きりの中に入っていたことがあって,私は欝状態になりました。部屋の隅にうずくまり,子どもが泣こうが何をしようが,気持ちも体も動かない状態になったのです。自分が心理学者なので,どこかでそれを観察している自分がいて,母親ってここまでなるんだと思っていたので,まだ少し距離をもてたと思います。
      (中略)
     そういう状況に対して「NOBODY'S PERFECT」ということで,孤立したお母さんに集まってもらって井戸端会議を開いて,お互いに支え合うような人間関係をつくってもらおうというプログラムを積極的に行っていて,いまも中野区でやっています。お母さんたちは本当にうれしそうです。たった2時間ですが,子どもを保育室に預けて,一時期,子どもと離れて大人だけで好きなようにおしゃべりができるってなんて幸せなんだろう。普通の人々にはみんな保証されていることが,子どもが生まれて家に縛り付けられているお母さんには保証されていない。そういうことも社会が保証しないまま,子どもに問題が起きたからすぐ市中引き回しというのは,そりゃないでしょと言いたい。
で,男が子育ちサポートの担当をする場合も,井戸端会議が必要というのが,2004/09/26の日記に記したNHK「63億人の地図 第7回 出生率〜女と男・支え合う未来へ〜」に掲載されている写真。何とも言えない光景です。