西村肇先生の新潟水俣環境賞受賞講演

ecochem2004-11-10

チッソ昭和電工水俣病原因物質のメチル水銀が生成していたことを証明したのが西村肇先生。最新の有機金属化学・計算化学の手法を用いたのもので,それはつい最近のことである。最新科学を駆使しなければ証明できなかったことを裁判の争点の一つにしていたことが,悲劇を長引かせたとも言えるだろう(“化学”的には証明できなくても,猫を使った実験などで発症することで“科学”的には証明されていて,それが隠されていたという側面もある)。そのような場合には弱者である被害者の側に立って,然るべき手段を講じることが最優先されるべきであったし,これから起こるであろう未知の問題でも同じことが言える。
その西村先生が今年の新潟水俣環境賞を受賞されることになり,講演会が開かれるという広報が昨夜入った。これを聞き逃すことはできない。
なお,西村先生がこの研究に着手するのが遅れた経緯やその業績が正当に評価されていないということも著書などで是非知って欲しい(水俣病の文献リストやWeb資料参照)。

※画像は手元にある西村先生の著書と論文掲載誌の例