山口瞳さんが行った金沢の酒場

ecochem2005-03-07

昨年11月に金沢に行った話がそのままになっている。
学会の懇親会の後で行ったのが,


結婚式の二次会が入っていて少し賑やかだったが,ある本にも書いてあったカウンターに座って,山崎のハイボール。山口ファンの相手には馴れている(?)マスターの戸田さんにいろいろな話を聞かせてもらう。理系の話もOkなことがわかり,何やら余計なことまで放談したような気がする。
山口さんの絵が何枚かあって,醉った勢いでお客さんがいる席にあるものまであつかましく見せてもらい,作者の解説までしてしまった。エッセーには細かいところまで描き過ぎてしまうというような話が出ているが(こちらは高校生の時は美術の先生に「書割のようだ」と皮肉られた力量),さらっと描かれた暖かみのある作品ばかりで勝手に納得。
氏のエッセーは寝る前によく読むけれど,亡くなられた後も新しい編集(例えば重松清さんの手によるものなど)で次々と本が出るほか,
山口瞳 (KAWADE夢ムック)
山口瞳「男性自身」傑作選 中年篇 (新潮文庫)

というムック本まで出ている不思議な作家で,同書の表紙に“礼儀,家族,酒,店,競馬,将棋,野球,温泉,町,…そして文学”と書いてあるように守備範囲が広く,経ている時代の長さを含めて交流範囲も並大抵ではない。思わぬ人と対談していたり,思わぬ人が山口さんのことを書いていたりで,今でも時々驚かされる。
倫敦屋では,マスターが書かれた冒頭画像の本とこちらの手持ちの理科本を交換させてもらった。戻って上のサイトを見てもっとマスターお得意の酒を飲むべきだったと反省。おいしかったお手製のハムをまた食べさせてもらうためにもまた金沢に行かなくては。