「生命元素事典」を楽しむ

ecochem2006-04-05

昨日ネット書店から届いた新刊,
生命元素事典 (OHM BIO SCIENCE BOOKS)

を読み始め,分子コンテンツ新作に向けていろいろ思いをめぐらせている。同じ編者による,

と比べても,より多くの元素が生命活動に関わっていることが明らかになり,思いがけぬ元素がタンパク質の中で機能していることに興奮を覚える。
今日は,p.80に書かれている,酸素分子とFeとの関係についての知見を上のような図にしてみた(PDBデータ1o7mから作成)。従来は2005/06/01で示した下図のように,Fe-O-Oという配位(end-on)がよく知られていたのに対して,上図のようにO2の両O原子がFeにside-onで配位する構造が2003年に見出されたというもの。


どちらのタンパク質例も,以下で参照できるようにしたのでお試しを(どちらも,要・Chimeインストール)。

他の微量元素・超微量元素を含むタンパク質についてもJmol版で参照できるようにする予定。
なお,そのネタを探しているうちに以下のサイトを発見。

の“Molecular Formula”に元素記号(例えば“Fe”)を入れるとリガンド構造別に検索可能であることがわかった。Chime分子モデルが表示され,“Hetero-ID”ボタンを押すと該当PDBコードが表示されるので,ネタ探しには絶好である。これまで私が少し作ってきたコンテンツに似たものがいとも簡単に出てくるのは少しくやしいところもあるけれど。