「現代倫理学事典」に見る現代
このところ矢継ぎ早にネット書店に本を発注しているが,一昨日は以下が届いた。Webサイトを開設して以来,環境問題,生命の問題,科学技術と社会,ネットと社会など,様々なコンテンツをつくりながら勉強せざるを得なかった一つの大きな側面を集大成してくれている。
大澤真幸さん,加藤尚武さん,金森修さん,金子勝さん,岸田秀さん,北田暁大さん,佐倉統さん,立岩真也さん,長谷川眞理子さん,鷲田清一さんなど,見知ったお名前が並んでいるが,以下は『構成』の中で目についた項目とその執筆者の例である。
- 横山輝雄:科学と倫理
- 長谷川眞理子:社会生物学,子殺し
- 丸山徳次:水俣病,環境倫理学
- 北田暁大:社会構想,権威,支配
- 大澤真幸:有機体説,交換
- 林誓雄:情報化社会
- 水谷雅彦:情報倫理学
- 立岩真也:生存権,措置入院
- 神崎宣次:インターネット
- 須藤自由児:リサイクル,エコロジー,原爆/原子力,ホームレス
- 橋本努:大学改革
- 金子勝:グローバリズム/反グローバリズム
- 鷲田清一:所有,身体
- 金森修:リスク
- 野家啓一:対話
- 池上哲司:素直さ
- 加藤尚武:コモンセンス,知恵,応用倫理学
- 佐倉統:本能
- 小林昌廣:エイズ
- 野矢茂樹:こころ,生/生命/生活
- 斎藤環:ひきこもり
- 蔵田伸雄:医療倫理学
- 土屋貴志:インフォームド・コンセント,出生前診断
- 小松美彦:死
- 酒井昭宏:自殺
- 芹沢俊介:生きる意味
- 汐見稔幸:子ども
- 浜田寿美男:道徳教育
それぞれに書き手の個性が感じられ,書名からイメージするよりも刺激的な内容が多い。巻頭の「本事典を使いこなしていただくために」に書かれている『不正に手を染めるよう追い込まれたとき』などの処方箋もユニークである。
巻末には「ディレンマ集」「年表」があるほか,数は少ないが『国旗の意味』や『ネット上のリソースの利用と情報倫理』,『車内での化粧』などのコラムもあり,あちこち拾い読みする楽しみがある。
Get your own chart!