生命の世界の新ドグマ構築は成るか
を今朝読了。
このブログでもセントラルドグマやRNAに時々言及しているが,それらに対する近年の新しい見方が一般向けの新書としてよくまとめられている。数十年億の紆余曲折・試行錯誤の中でいったい何が起こっていたのか。現在の地球型生命だけを見てそれを推定することは難しい面があるものの,予想以上にその痕跡は今でも残っていて,まだまだ私たちをわくわくさせてくれる大発見が出てくるだろう(あるいはそれは複雑すぎで地道な研究の積み重ねによってしか成果が得られないのかもしれない)。多くの分子のネットワークによって奇跡的に成り立っている不可思議な生命というのは本当に一筋縄ではいかないのだ。
さて,新「分子事典」ではp.261のtRNA(この独特の形状の秘密も冒頭の本を読むとよくわかる)でその一端を紹介していて,1頁という限られたスペースながらその雰囲気を伝えられたと思うのだがどうだろうか。拙作ページでは以下を参考にして欲しい。
なお,下の画像は今日の紹介本p.140図16の岡崎フラグメントのPDBデータ例である。
PDB 1gtcのModel 1
(ATGCUの塩基色になっているのがRNAで他はDNA)
こういう色分けができたのも2007/07/03等に書いたPDBデータの仕様変更のお陰(?)である。