木と森と森の歴史を見よう(ダーウィン生誕200年に)

今日はダーウィンの200回目の誕生日です。2008/03/30には科博で開かれていたダーウィン展*1を見に行ったことを記したが,今日は読み終えたばかりの以下の本からヒントを得て。
進化から見た病気―「ダーウィン医学」のすすめ (ブルーバックス)

p.28に書かれているように「ダーウィン医学」は「進化医学」とも呼ばれ,Wikipediaにも記事がある。

要するに,本ブログでよく出てくる「鍵と鍵穴」という局所的な視点でなく,生命システム全体とそのシステムが成立してきた(あるいは現在も時々刻々変化する)歴史に着目する必要があるということだろう。
p.107『タバコ依存』に出てくるCHRNA遺伝子・タンパク質など身近な事例がたくさん紹介されていて勉強になったが,ここではダーウィン絡みで上のWikipediaにも出てくる鎌状赤血球症(p.129)をヒントに作成したコンテンツを紹介しよう。同書を読む助けにしていただけたらと思う。

1カ所塩基が違うだけで酸素を運ぶ効率が低い不利なタンパク質(結果としてこちらも1カ所だけアミノ酸が異なる)をつくる遺伝子がなぜ残っているのかという話である。


〔左〕ヘモグロビンS;2hbs B鎖,〔右〕ヘモグロビン;4hhb B鎖


昨日の記事同様自作秀丸マクロで作成した着色配列表
(1段目と2段目,または3段目と4段目を比べると1カ所だけ色が異なる)

ところで同書のイラストにも楽しませてもらったのだが,『おわりに』を読んだら描いたのはCoSTEPでデザインを学んだ研究者とのこと。

科学コミュニケーションを進める上でデザインは重要な要素であることも再認識させていただいた。

*1:当時の展覧会専用URLは内容がおかしなことになっている。