宇宙の話題あれこれ(追記あり)

先日「かぐや」*1が月に落下してその役目を終えた。私のがこどものころ最初に持っていた上空に浮かぶ月のイメージは,「アポロ」や「かぐや」などによってどんどん塗り替えられたし,インターネットなどというもので月面の動画が見れるようになるなんて,何か遠い世界に連れて来られたようにも感じられる。

http://youtube.com/watch?v=gJmT3dPbwHE
さて宇宙関連のニュースでは,

というのもあるが,若田さんのいる「きぼう」では,つい先日警戒レベルがフェーズ6に引き上げられたインフルエンザウイルス*2に関する実験も行われている。

ここに記されているウイルスのRNAポリメラーゼの3つの部品のうち,PA-PB1サブユニットについては,2009/05/22に記した。


RNAポリメラーゼPA-PB1サブユニット2znl(再掲)
Jmolで見るトピックス分子(生活環境化学の部屋)で参照可

書き遅れたが2009/06/09(現地時間)のRCSB PDB新規公開データの中に,PB1-PB2サブユニットのデータが含まれていた。「きぼう」では各ユニットの結晶化実験が実施されたものと推定され,帰還後の解析が楽しみである。


RNAポリメラーゼのPB1-PB2サブユニット
3a1gのChain A・B
トピックス分子にPA-PB1サブユニット2znlとともに掲載


さて,夜空に輝く月と星はLEDのように清冽な光を放つように見える。そのうち月は太陽の熱に焼かれたイーカロス(イカロス,イカルス)と違って「かぐや」が苦もなく接近・落下できたように,冷たい間接光を発し続けている。
しかし,太陽の仲間である星々が放っているのは以下の図に象徴されるように激烈な熱と不可分な光である。


その星たちの配座から生まれた星座を背景としたポスターで広報中のサイエンスカフェがいよいよ来月に迫った。

そこでは現在の文化や科学にも多大な影響を及ぼし続けているギリシア神話の熱く冷たいドラマが語られるだろう。科学夜話でその奥深さと身近さを感じとっていただきたい。


*1:「かぐや姫」となると今年元旦に書いたGFPの話題も関わってくる。

*2:インフルエンザ情報(生活環境化学の部屋)参照