メディアの中の分子&明日はサイエンスカフェにいがた開催!

ecochem2009-09-12

今朝の朝日新聞天声人語はメタボの話題で,その中に1008/08/29に記したファトスタチン(掲載ページ参照;冒頭画像は再掲)のことが化合物名を記さずに紹介されていた。研究者名が記したので検索すればわかるだろいうという考えもあってカタカナの名称は読者の興味をそぐと判断したのではないかと,ついうがった見方をしてしまう。

に記したように,自作サイト掲載の分子モデルはいろいろなメディア等で利用してもらっているが,テレビに出たものについてはその番組が短命に終わってしまっていて(と言っても2例だけで,出たのは各1回だが),分子モデルが出ると視聴率を下げてしまうのかと被害意識のようなものを感じたりする。


β-エンドルフィン:TBS「探険!ホムンクルス」2003/11/01放映
※参考:探険! ホムンクルス - Wikipedia


p53:テレビ朝日「大人のソナタ|第2回 恋は体に良いって本当?」2009/05/10放映
※参考:大人のソナタ - Wikipedia2009/05/10記事

テレビCFでも分子の構造式が出てきたりすると目立つし,化学が好きな人以外はどうのように受け取っているのだろうかと,分子のおもしろさを知ってほしいと思っている「分子の裏方」を任じているいる身としてはいつも気になっている。もし拒否反応を示されるとすれば,それは「分子の見方」がまだ定着していないためで,まだまだやらなければならないことは山積していることになる。
第26回サイエンスカフェにいがたゲストのお一人の内田麻理香さんが,同カフェにも科学コミュニケーターとして以下のようなエントリーを書いてくださっていて,とても参考になる。

この「科学」を「分子」に置き換えてお読みいただくのも一興だろう。“『もやしもん』>>「アポトーシス」”という記述があるが,本記事に関して言えば,“『メタボ』>>「ファトスタチン」”なのだ。菌とウイルスが見える少年が主人公の『もやしもん』のように,分子が見える少女の出る漫画がほしいと思ったりする。
ここで,メディアつながりということで,つい昨日昨日読み終えた以下の本の話。
新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に

私の眼の届かない広範な世界を網羅してくれている上に,「誰でもメディア」という語をキーワードにブログの優位性などを論じつつ日頃私自身が感じていることを代弁してくださっている部分もあって多くの示唆をいただくことができた。それで,厚かましく冒頭のページを紹介しつつファンメールを出したところ(マイナーな分子という題材を発信し続ける苦労!),思いがけず励ましのメールをくださったばかりでなく,タイトルの中に『個人メディア』という語のある明日のサイエンスカフェにいがたのことを,小林さんご自身のTwitterに書き込んでくれたのである。


ちょっとしたメディアミックスということになってしまって,本当にありがたく思っている。
そのおまけになるのだが,第26回カフェの報告を会場の書店のスタッフが書いてくださった。明日のカフェの予告も載っているので,お近くにジュンク堂書店がある方はPDFでなく実物を手に入れていただきたいと思う。


小林さんへのメールには『リアルとバーチャル』のことも書いたのだけれど,多様な手段を私たちは手にしているのだと強く実感する。