DESの事例から「予防原則」を考える
2005/06/04で名前を出した書籍を読んで。
4.3節『子供の健康保護と予防原則』には以下の内容が掲載されている（化合物名等一部略記）。
この中のDES（ジエチルストロベストロール）をとっかかりにして以下のコンテンツを作成。同書に出てくる化合物をリンクをたどって参照できるようにした（一番下のアニメ画像はDESを含むタンパク質例）。
以下の表は，上掲書p.142をもとに作成したDES被害の実態である。
この悲慘なできごとについては，拙著でも以下のように記載した。
- ジエチルストロベストロール（DES）は合成エストロゲンとして1938年に開発され，切迫流産防止剤や経口避妊薬としてアメリカや中南米諸国で約500万人の妊婦に投与された。しかし，服用者に自己免疫疾患が多いと指摘された上に，服用した妊婦から生まれた女児が成人すると生殖器に腫瘍が生じたり，男児では尿道下裂・精液異常などが生じることが判明し，1971年にようやく使用禁止となった。
サイエンスZEROでポリ乳酸の話題
今夜放映された，
では，予想以上に多くの製品に使われるようになった生分解性プラスチックの代表例，ポリ乳酸（PLA）の話題が中心であった。トウモロコシなどの植物だけでなく，建築廃木材や生ゴミからもポリ乳酸を製造することが目指されている。ただし原料は太陽エネルギーによる光合成の働きで得られ，「糖→乳酸」の工程や廃棄後の分解では微生物のお世話になっていることを忘れてはならないだろう。
早速以下にポリ乳酸の分子モデルを追加した。他の関連コンテンツと合わせ，化学のいい教材になるだろう。
ポリ乳酸（ポリ-L-乳酸，PLLA）の繰り返し単位
- 代表的な高分子（以下2つと合わせ，要・Chimeインストール）
なお，上の記事の「パソコンで見る動く分子事典」p.224にはポリエステルの一例としてポリ乳酸の図を示し，生分解性プラスチックの種類の表も掲げた。
生分解性プラスチックと解糖・発酵については以下のページを。
- ※参考（最近のニュースから）
