生命科学と化学の蜜月
あちこちに書いていることだが,
を見てもわかるように,高校化学分野でも生命科学分野の内容を扱う割合が高まっている。
- 黒田玲子,『科学技術政策と化学』,化学と工業,2005年4号
の文末でもその重要性が語られていた。
そんな中,シリーズ全巻を発注しておいた職場の生協から,今日久々の入荷の電話が入った。ちょうど先日ネットで発刊を知って,注文がまだ生きているのか確認しようと思っていたところだった。
帯には“化学の力で生命に挑む”とある。章構成は以下のようになっていて,まさにこれまでに公開してきた自作Webコンテンツと重なる部分が多く(※印が関連コンテンツの例),つい自分のためにつくってくれた本ではないかと思ってしまう。今年のゼミ生に取り組んでもらおうと思っている分野についてもわかりやすく詳述されているのが有り難い。たくさんの分子構造式やタンパク質の高次構造図や模式図を見ているだけでわくわくしてくる。
- 神経と化学―神経伝達の謎を解く
- 免疫の化学 …上図はp.62図2.12のカルシニューリン-FK506-FKBP複合体の構造例(PDBデータ 1tco より作成)
- 炎症の化学
- 微生物と化学 ※抗生物質データ集
- がんとAIDS―難病に挑戦する化学 ※話題の制がん剤・抗がん剤,HIVとエイズ
- 医薬の化学―生体内で活躍する低分子化合物と医薬
分野は何であれ,最新の話題を網羅した書物の存在は有り難く,著者と編集者に感謝するばかりである。