PDBの今月の分子はオキシドスクアレンシクラーゼ

PDB今月の分子はオキシドスクアレンシクラーゼ(と書くとどこが区切りかちょっとわからないけれど)。


オキシドスクアレンシクラーゼの例1w6k(中央の空間充填モデルがラノステロール)
※参考(おあつらえ向きの和訳記事):eProtS/PDB:1W6J(ラノステロール合成酵素)

eProtSの記事にあるように,ステロイドホルモンの合成に関わる酵素である。ステロイドホルモンと言えば,本ブログ記事,

にも書いたように微妙な構造の違いがまったく異なる役割につながっているのだが,今回のOSCはステロイドの複雑な基本構造をつくる働きをもっているのだ。
これはたまたま昨日入手した,
岩波講座 現代化学への入門〈10〉天然有機化合物の合成戦略

の4章4節が『ステロイドの合成』で書名通り天然(p.144〜に『生合成類似経路』)*1と人工の合成手法の違いがわかって興味深い*2
そしてネット情報のありがたさで,上記ラノステロールについても詳しい記事がWikipediaに出ていて,日本語版・英語版双方に反応経路の図が掲載されている。分子が組み立てられる複雑さを感じとってほしいところである。


ラノステロール - WikipediaLanosterol - Wikipedia

*1:新「動く分子事典」のp.85〜でも詳述。

*2:6章は2006/05/13等で取り上げた『プロスタグランジン』である。