DNAと発がん性化合物にこだわった一日

一昨日取り上げた,「DVD&図解 見てわかるDNAのしくみ」のDVDビデオにようやくざっと目を通し,「がんはなぜ生じるか 原因と発生のメカニズムを探る」も夜中に興奮しつつ読み終えた。
前者ではDNA合成の際などの速度にも配慮して作られていることに動画の威力を感じると同時に,生体分子の凄まじい機能・連携プレーとその詳細を解明しつつある科学のもつパワーに圧倒され,後者では今まで主流と思われていた発がん機構が見直されつつある*1といういつもながらの科学の宿命を思い知らされた。そしてそれぞれの最新情報に新コンテンツ作成の意欲もかき立てられてしまった。
で,今日の午後から作成を開始したのが下記コンテンツ。これまでのデータをDNAを中心と据えたものとして再構成しようというもので,今後作業を継続する予定なので是非ご利用いただきたい。


DNAとRNAのいろいろな姿
(表示データはヌクレオソームコア例1eqz)

また,発がんについても発がん物質の作用機序の多様性に注目する必要性を感じ,まずは以下の分子を組み立てた。

「がんはなぜ生じるか」p.202〜に記載のクロフィブレート(クロフィブラート,clofibrate) → 発がん性化合物
※DNAに結合せず変異原性もないが,強い発がん性を示す。

それにしても身の回りにはいろいろな人工化学物質があるのだと改めて痛感し,それらと休みなく闘い続ける生体分子の頑張りについ思いを致してしまう。

*1:特に前者との関係で,必ずしもDNAへのダメージだけが原因ではないというところが興味深い。