一昨日のサイエンスカフェにいがた
最近テレビ番組などで新型インフルエンザによるパンデミックのことがよく取り上げられる。
それらの番組がどれくらい見られているか,あるいは以下のような情報・ニュースを見ると国内における備えは必ずしも十分とは言えない。
- 高病原性鳥インフルエンザ:感染確定症例数(感染症情報センター) ※2008/02/05時点でで死者数は226人
- 迅速対応へ2法改正案提出 新型インフルエンザ対策で政府(東京新聞,2008/02/08)
- インフルエンザ、欧州でタミフル「耐性」急増・日本流入の恐れも(日経,2008/02/08)
- タミフル減「備蓄に不安」 新型インフル対策で専門家(USFL.COM,2008/02/03)
そのような中,一昨日専門家を招いて下記のテーマでサイエンスカフェを開催した。
- 第7回カフェ『鳥インフルエンザ問題から見直す,人と野鳥のより良い関係』(ゲスト:動物衛生研究所 疫学研究チーム・小泉伸夫 さん)
- 参考(筆者によるインフルエンザ関連コンテンツ):鳥インフルエンザ&新型インフルエンザ情報
鳥インフルエンザの予防にワクチンを使うとその影響は?
鶏肉の問題や,新潟では瓢湖などで行われている白鳥の餌付けなど,身近な問題から説き起こして上記の新型インフルエンザに対する考え方が豊富な資料によって提示された。例によって参加者によるブログ記事もアップされ,その雰囲気を知ることができる。
ところで懇切な配布資料に加えて,小泉さんが発案して動物衛生研究所で作成された口蹄疫ウイルス(foot-and-mouth disease virus)の多面体構造を組み立てることのできるペーパークラフトが配布されて好評だった。トップの画像は,そのウイルスのPDBデータ例1bbtよりPQSによって得られる多面体構造である。このような教材で目にな見えないけれど身近なウイルスに関心を持ってもらうことは大切だと思う。是非Webでも公開してほしい。
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※追記1(2007/02/11):大事なことを書き落とした。「サイエンスカフェにいがた」の会場のジュンク堂書店新潟店のS店長さんから,先日理系書籍の棚変えをしたことを聞き,上記カフェの前に見に行ったところ,カフェ紹介本のコーナーがとても目立つ場所に移っていた。カフェの存在を知ってもらう意味で,本当に大きな力になる。
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※追記2(2007/02/12):口蹄疫ウイルスのペーパークラフトの情報公開について小泉さんの承諾が得られ,早速組み立てて写真を撮ってくれた「サイエンスカフェにいがた」のスタッフIさんからは転載の許可をもらったので,以下に上掲多面体構造と並べて紹介させていただく。隠れている五角形と六角形が見えるだろうか。