爆問学問で脳と水分子とアクアポリンの話題
一昨日放映の番組,3月9日にも再放送される予定なのでご案内させていただきます。同番組ページには出演者やスタッフの撮影後の後日談が掲載されるのでそれもお勧めである。
中田力さんは新潟では昔から有名な新潟大学脳研究所の中にある統合脳機能研究センターのご所属なのだが,同研究所で近年fMRIを用いた研究をしていることなどは耳にしていたものの,番組ではアクアポリンの話が出てきて驚き,早速以下に情報を掲載した。
アクアポリン4のPDBデータ例2d57のPQSによる4量体
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- Identification of Aquaporin 4 inhibitors using in vitro and in silico methods(Bioorganic & Medicinal Chemistry,2008/01/07)
- 中田力,「脳のなかの水分子 ―意識が創られるとき」,紀伊國屋書店(2006)
- 佐々木成 編,「水とアクアポリンの生物学」,中山書店(2008)
- 佐々木成 編,「みずみずしい体のしくみ 水の通り道「アクアポリン」の働きと病気」,クバプロ(2005)
- サイエンスZERO | 第185回 体をうるおす謎の穴 アクアポリン(NHK教育TV,2007/11/10放映)
- アクアポリン4阻害薬(J-tokkyo)
- Aquaporin - Wikipedia
- Googleによる“aquaporin”画像検索結果 | 同“アクアポリン”
- イオンチャネルタンパク質の例(PDBデータ1BL8より)(生活環境化学の部屋,Chime版)
中田さんのご研究の中に上掲のようにアクアポリン4阻害薬開発のことがあるように,脳内のアクアポリンについては脳浮腫の治療という側面での研究が多いようだが,番組では水分子が高度な脳機能に関わっているのではないかという予測をアクアプリンの存在を糸口として提言していた。水分子の不思議さにはいつも魅了されるが,アクアな地球・アクアな脳,と言うところだろうか。
なお,アクアポリンデータをいろいろ探していて水銀イオンを含むPDBデータが2件(アクアポリン4ではないが)出てきたのが能機能との関係で気になった。今後の勉強の課題である。
水銀イオンを含むアクアポリンZのPDBデータ例2d57
(生体分子の構成元素で参照可能。左上の図はLigand-SITE情報で)