生体分子

2009年の分子仕事始め(追記あり)

うっかりしていたが今年の年賀画像をブログにはアップし忘れていたので松の内に掲載します。 メインの画像は干支にちなんでウシのロドプシンにしたが*1,元旦の文春のことがわかっていればGFPにしたところ。 そう思って仕事始めに職場に行くと部屋には以下の…

竹内久美子さんのエッセーで「動く分子事典」紹介!

あけましておめでとうございます。新年早々うれしいことがあったので紹介させていただきます。 今朝目覚めて寝床の周囲に散乱している本の中から, 「週刊文春」2009年1月1日・8日新年特大号 を読んでいたら,なんと, 本間善夫・川端 潤,「パソコンで見る…

ポルフィリンから難病を考える

今年も大晦日。2008年最後のエントリーは難病指定が待たれるポルフィリン症(ポルフィリア)について。27日のTBSの特集番組の中で以下の内容が再度取り上げられ,関係者が病気を広く知ってもらうためにいろいろな活動をしていることが紹介された。 報道特集N…

こども達への有害化学物質の影響は今

今年の3月に出ていたニュースが先日再掲されていた。 子どもの病気:化学物質との関連解明で母子6万組を調査へ(毎日,2008/12/22) 環境省の該当ページ:子どもの健康と環境に関する全国調査 資料例:子どもの健康と環境に関する全国調査−子どもの発育に影…

RCSB PDBの今年のレポート

RCSB PDBの2008年年間報告書が出された。いつもながら多数の画像とともにトピックスや統計データが示され,その画像だけでも楽しくなってしまう。 2008 Annual Report(RCSB PDB,2008/12/16) FTP Downloads from the wwPDB in 2007. Image created using G…

初物三題噺(Chrome,GCaMP,Yahoo!ブックス)

以前Google Chromeを試した時はJava利用のJmol分子を表示できなかったのだが, 「Google Chrome」が正式版に(INTERNET Watch,2008/12/12) を見て,試したところ「Java for Chrome」(上の画像はその起動時に表示される)のインストールが始まって無事モデ…

使い走りあるいは細い横糸としての男

福岡伸一さん*1の新刊をようやく読み終えた。 福岡伸一,「できそこないの男たち」,光文社新書(2008) 同書を紹介した福岡さんのブログ記事:福岡ハカセのささやかな言葉: 新刊が発売されました!(2008/08/06) 相変わらずのご自分の経験を踏まえたストーリ…

朝刊科学欄に生体分子構造画像(ジベレリンの機能制御へ)

今朝の朝日新聞の画像入り科学ニュース,数日前の新聞各紙Web版に掲載されていたが写真入りはなくてがっかりしていたが,海外ニュースには同様な画像が載っていた。 植物の成長ホルモンの働きを解明、奈良の大学教授ら(朝日,2008/11/27) → Gibberellin-in…

Jmol 11.6ネタでumass.eduからの来訪(画像追加あり)

2008/10/19に本ブログへのNIHからのアクセスのことを書いたが,今日は昨日のエントリーがきっかけと思われるumass.edu*1からの訪問があった。 これもブログの仕組みとなかのひと.jpというツールのお陰である。ブログ記事は日本語だが画像とscriptは万国共通…

RCSB PDBのJmol表示がver.11.6になった影響

昨日突然起こった大事件。標題のように,RCSB PDBで採用している分子モデル表示形式のうち,Jmolがver.11.6に変更された。 Download Jmol 参考情報例:[jmol] New Features for Jmol 11.6 機能がかなり増え,モデル上でマウス右クリックして表示されるメニュ…

世界糖尿病デーに

ふとしたことで今日が, 世界糖尿病デー だと知る。 糖尿病と言えば,2008/03/07に書いたように高校生向けのイベントに分子画像提供で関わり,作成された映像作品を送ってもらったことを思い出す。 それで今日は,糖尿病治療薬関連のアニメを作成してみた。…

水俣病にこだわってPDB新データと関連DBに遭遇

RCSB PDBの定例新規公開データチェックで気にかけている単語がいくつかあって,“mercury”のその1つ。 今日は,2007/09/23に記した有機水銀分解酵素MerBの構造を明らかにした研究チームによる複数のアルキル水銀リアーゼ(EC.4.99.1.2)の構造データが公開さ…

水族館に欠かせなくなった(?)セレンテラジン

以下のニュースを読んで分子モデルを作成。 下村さん助言クラゲ鮮やかに発光 加茂水族館(山形新聞,2008/11/02) オワンクラゲのエサにセレンテラジンを注射して与えたというもの。 セレンテラジン(coelenterazine;Chime分子) セレンテラジンは今年GFPで…

11/23のアゴラは分子イベントにどうぞ!(12:30-14:20)

サイエンスアゴラ2008(2008/11/22-24,国際研究交流大学村)の新しいパンフレットがダウンロードできるようになった。 2008/09/23に記したへの分子企画出展, 12:30-14:20 分子の世界をアートとエコロジーから見る(分子計算と視覚化研究会) ※このページで…

こどもタンパク質の弟

2004/10/01に記した“世界最小のタンパク質”シニョリンに弟(妹?)が生まれた。 10個のアミノ酸からなる人工タンパク質の結晶構造を解明 −「タンパク質とは何か」、さらなる理解の深化に貢献−(産総研,2008/10/27) シニョリンで検索するとなんと拙作ページ…

XMRVウイルス感染情報(適宜追加予定)

講義前に取り急ぎブログでニュース紹介。国内にはほとんど情報がないので今後調べて追記する予定。手元の主だった本にも出ていないので引き続き調べてみます。 前立腺がん:患者がXMRVウイルス感染 日本人で初検出(毎日,2008/10/28) Googleによる“XMRV”ニ…

3連休中もGFPや有機概念図と格闘(今日はオープンキャンパス)

2008/10/08のノーベル賞記事はお陰さまで多くの機関からアクセスをいただいた。 なかのひと.jpによる2008/10/09(記事翌日)のアクセス解析 11/23のサイエンスアゴラ出展でも,イベント用画像の中央ににGFPを急遽追加しポスターも改訂した。 化学・生物関係…

2008年ノーベル賞(化学賞,物理学賞,生理学医学賞):訂正・追記あり

日本人(ただしアメリカの国籍をとっている方が2名)*1の受賞もあって,ニュースやワイドショーで盛んに取り上げられています。自作ページのあちこちに書いたことをまとめてみました。 分子モデルで見るノーベル賞 ノーベル化学賞に海洋生物学者の下村脩さん…

「写真でみる生命科学」ほか届く

昨日届いた発注本。 この中で, 東京大学生命科学構造化センター 編,「写真でみる生命科学」,東京大学出版会(2008) は,生物(植物・動物など),細胞,研究者の豊富な写真ばかりでなく,生体分子(低分子やDNA,タンパク質)の構造画像も掲載されていて楽…

昨日から高知です

2008/09/23に記したメラミン問題,とうとう国内の食品から検出された。 Googleによる“メラミン 国内 検出”ニュース検索結果 ところで,今日から学会で昨日午後高知着。 DHC-8機で高知龍馬空港に到着 日本コンピュータ化学会2008年秋季年会(2008/09/27-28,…

人体に入るべきでない分子(追記あり)

1008/09/08に記した“事故米”のメタミドホス・アフラトキシン・アセタミプリドに続き,食品中のメラミン混入が世界規模で大きな問題になっている。 Googleによる“メラミン”ニュース検索結果 メラミン(国際化学物質安全性カード) メラミン - Wikipedia 新「…

個人的オープンキャンパスのテーマは「アート←科学→社会」

2008/09/07に記した研究室のオープンキャンパスの予定が決まり,ポスターを作成。 研究室公開(各回先着10名,仮設校舎2棟207号室) 2008/09/27:学会出張で不在のためバーチャル版のみ 2008/10/04:11:15〜12:00,15:15〜16:00の2回 2008/10/13:11:15〜12:…

スタチン発見の遠藤章さんにラスカー賞

2008/09/08に『いつもながら,いいニュースで分子の話を書きたいと思ってしまう』と書いたところ,今朝の新聞にそのいいニュースが載りました。本ブログ2006/03/02に2006年日本国際賞を受賞されたことを記した遠藤章さんが今度はラスカー賞を受賞されました…

高知の学会に向けて(トレハロースのことなど) …追記あり

先日も書いたように,今月末は以下の学会でPDBsumのLigand-SITE情報データ集についてポスター発表。 日本コンピュータ化学会2008年秋季年会(2008/09/27-28,高知大学朝倉キャンパス) そこで紹介する有機概念図に関係する別の作業に一昨日まで追われ,昨日…

殻を替えて www.ecosci.jp のオープンキャンパス

別ブログ(2008/09/03)に記したように,職場が2009年4月から新潟県立大学(設置認可申請中)に衣替えする見通しで,オープンキャンパス(9/27,10/4,10/13)についても公表された。 例えば2008/07/27などに書いたように,Webサイト「生活環境化学の部屋」の…

福永武彦「草の花」

昨日記した北陸小旅行は,東京で飲もうと思って友人たちに連絡をとったところ,急遽福井で4人が集まることになったもの。翌日の能登行きはI氏の車で2人旅で,祭りと宿は昨年彼が行って気に入り再訪に同行させてもらったのだが,その宿は福永武彦(SPYSEE情報…

炭疽菌事件の静かな幕切れ

2001年の9.11に続いて起きた炭疽菌事件は全米を震撼させ,世界中で悪質ないたずらを含めた模倣事件が連続したが,7年の歳月を経て終焉を迎えたとのニュース。 米01年の炭疽菌事件、自殺した研究者の単独犯行と断定(読売,2008/08/07) 米国:炭疽菌事件 自…

SPYSEEとグッドセルさんのこと

職場の居場所がプレハブに引っ越すことになって連日荷造りで仕事にならず,昨日のPDB新規公開データのチェックもサボってしまった。ただし,楽しみにしていたグッドセルさんのイラストによる「今月の分子」はしっかり確認。今回は耳慣れないタンパク質だけれ…

「分子のかたち展」に寄せて(3) 多重結合の表示

2008/07/25に記したようにPDBデータの多くで水素分子や多重結合が表示できないことのデメリットが,二重結合と単結合が繰り返される共役系の認識ができないことである*1。ある分子が有色になるにはいくつかの要件があるが,その代表例が長い共役系をもつこと…

山崎 昶先生の新刊「化学トリック=だまされまいぞ!」

2008/05/25に記した東京のオフでは,久しぶりに山崎 昶先生*1にもお会いすることができたのだが,先ほど先生から思いがけず新刊が送られてきた。 山崎 昶,「化学トリック=だまされまいぞ! 化学推理クイズ」,講談社ブルーバックス(2008) 数編読んだところ…